キッチンハイターを薄めても【次亜塩素酸水】にはなりません!
新型コロナウィルスの感染が拡大するにつれて、マスクはもちろん消毒用のアルコールも入手が困難になっています。
緊急事態宣言以降は不要不急の外出を避けていても、出勤しなければいけない場合や買い物に行かなければならない時はあります。
手肌や身の回りの持ち物、デスクやテーブルなど「どうしても消毒したい!」という逼迫した状況が、危険なデマを信じてしまう環境を創り出しています。
巷で「ハイターやキッチンハイターを薄めれば、手指や衣類の消毒ができる」などという間違った話が広まっていることにお気付きでしょうか。
ハイターと次亜塩素酸水は別物!!
なぜ「ハイターやキッチンハイターを薄めてアルコール消毒のように使える」かのように言われているのか、その誤解は「次亜塩素酸水が消毒にも有効」と考えられているからです。
ところがハイターやキッチンハイターに代表される塩素系漂白剤は「次亜塩素酸ナトリウムを含む」漂白洗剤であり「次亜塩素酸水」ではありません。
・次亜塩素酸水
・次亜塩素酸ナトリウム
名前がすごく似ています。「ナトリウム」が付いているか付いていないかの差です。
でも名前が似ているだけなのです。
キッチン用塩素系漂白剤
キッチンハイターを作っているメーカー、花王の商品サイトを見ると
”うすめて使う、塩素系のつけおきタイプ台所用漂白剤。
雑菌・ニオイの気になるふきん・まな板の除菌・消臭に。
食器用洗剤で取りきれない、カップ・子ども用マグなどの黒ずみ・シミ・茶シブ等の漂白に。”
と説明書きがあります。
さらに注意書きには
”目に入った時は失明のおそれがある。こすらずただちに流水で15分以上洗い流し、痛みや異常がなくても直後に必ず眼科医に受診する。”
”皮ふについた時は、すぐに水で充分洗い流す。異常が残る場合は皮ふ科医に相談する。”
とあります。
食器やグラス、まな板や台付近などに対しては除菌や消臭、シミ取りとして使えますが「肌に付いたら良くない」とはっきり書かれています。
液体が肌に付着する以外にも、蒸気となった場合や噴霧したものを吸い込むのも危険であるとも書かれています。
当然、消毒用アルコールのように使用できるはずがないのです。
衣料用塩素系漂白剤
キッチン用だけでなく衣料品用の塩素系漂白剤もありますね。
こちらは「黄ばみ・黒ずみをとり、まっ白に仕上げる塩素系の白無地衣料専用漂白剤。除菌もできる」という商品ですが、注意書きとして
”色柄物、一部の繊維には使えません”
”白無地衣料でも使えないものがありますので、表示を確かめてからお使いください”
と書かれています。
衣類やマスクなどを消毒する目的で噴霧すると、色あせ・脱色が起こります。
また繊維自体を弱らせ、洗濯やクリーニングした時に朽ちてしまう大変危険な薬品です。
塩素系漂白剤が肌に付くと?
キッチンで湯飲みや台付近を漂白した時に、ゴム手袋をせず漂白剤を触ってしまうと手がヌルっとする感覚がありますよね。
あれは塩素系漂白剤に含まれる成分が皮膚の表面のたんぱく質を分解する作用があるからです。
要するに溶かしているわけです( ゚Д゚)コワイ
メーカーさんの注意書きにもあったように皮膚に炎症を起こした、痛みを感じるなどの場合は医師に相談しましょう。
とても大切なことなので、改めてもう一度書きます。
ハイターやキッチンハイター、塩素系漂白剤を薄めても手肌の消毒には使えません。
無差別に衣類に使えば変色し、繊維がボロボロになってしまいます。気軽に消毒として使えるものではありません。
危険なので絶対にやめましょう。
次亜塩素酸水とは?
次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤は人体に危険です、という説明をさせていただきました。
では似た名前で間違われた「次亜塩素酸水」とは何なのでしょうか?
確かにアルコール消毒液が欠品するようになってからは、ドラッグストアでも代替品のように販売されています。
液体で、スプレー容器に入っていたリプラスチック容器に入っていたリ、袋に入った粉末も見たことがあるかも知れません。
次亜塩素酸水は食品添加物?
「化学の話は難しくて良く分からない!」という方にも出来るだけ分かりやすくご紹介したいともいます。
次亜塩素酸水とは次亜塩素酸が溶けた水溶液のことを指します。
色々な種類がありますが、現在厚生労働省から食品添加物として認定を受けている薬品です。
身近なところでは「水道水」に含まれています。
日本の水道水は浄水場でろ過・殺菌・消毒をされた後、各家庭まで水道管を通って供給されますが、その水道水の無菌状態を保つために添加されるのが塩素です。
水に薬物が入っているかと思うと良い気持ちはしないかもしれませんが、実は塩素は私たちの体に欠かせないミネラルの一つで、水道水の塩素を摂取することで健康被害が起きることはありません。
この塩素を水に溶かしたものを電気分解することで次亜塩素酸水は作られています。元々人体に無害なものを原料として作られているのですね。
次亜塩素酸水の大きな特徴は「有機物に触れると水とわずかの塩とクロラミン(塩素系の臭い=プールのにおい)に分解される」ことです。
実は「次亜塩素酸」は細菌を退治する為にヒトの体内でも作られている物質です。
健康なヒトの細菌やウィルスに対する抵抗力のひとつが「次亜塩素酸である」とも言えます。
難しい名前の割に人体には影響がなさそうで安心しましたね^^
人体に優しい次亜塩素酸水は、適度な濃度にしてカット野菜を消毒したり、生で食される食品を洗浄する際に使われていますし、プールの水の消毒薬剤としても使われています。
細菌やウイルスに対する次亜塩素酸水の効果
今回の新型コロナウィルスやインフルエンザなどのウィルスに対して、次亜塩素酸の殺菌効果が期待できるという研究もなされています。
人体に安全で殺菌・消毒の効果が認められれば、アルコールが入手できない昨今や、そもそもアルコールにアレルギーがある方も使用できますよ♪
良いこと尽くめのようですが、実は少しだけ問題もあります。
今のところ薬事法では完全に認められていないのです。
しかしこれは原料と作り方、pHバランスとウィルス除去に必要な濃度などのガイドラインが制定されれば、将来的に消毒剤として認められるだろうという見解のようですよ。
次亜塩素酸水を購入する時のポイント
アルコール消毒剤が手に入らない現在の代替案として、ドラッグストアや薬局で見かける次亜塩素酸水を購入する時に「これだけは確認したい」というポイントをまとめました。
・○○電解水と書いてある部分に注目!
→【酸性電解水】【電解次亜水(弱アルカリ電解水)】などの表記があります。
・酸性電解水には3種類あり、必要な濃度も合わせて確認!
→酸性なら20~80ppm、弱アルカリなら100~200ppmであればウィルスを不活性化させるのに有効な濃度です。
・製造年月日か使用期限を確認!
→次亜塩素酸水は自然と濃度が低下します。
次亜塩素酸水を使用する時の注意点2つ
一つ目は保存する際の注意点です。
次亜塩素酸水は自然と濃度が低下します。
これを出来るだけ防ぐには紫外線の当たらない冷暗所で保管すること以外、方法がありません。
小分けして持ち歩きたい場合には、紫外線を通さない容器に詰めるか、容器をアルミホイルなどで包みます。
2つ目は使用方法です。
「次亜塩素酸水は有機物に触れると、水とわずかの塩とクロラミンに分解される」とご紹介しました。
ウィルスも油汚れも手垢汚れも有機物です。
触れた瞬間に分解されて水になります。
確実に新型コロナウィルスを分解するためには、直接吹きかけて水と一緒に流れ落ちてもらう必要があります。
手やドアノブやテーブルなどに「直接吹きかけて」使用します。
ここがポイントです。
布に吹き付けてそれで拭くのではなく、次亜塩素酸水を直接吹きかけて清潔な布で拭き取るようにします。
できればポタポタ垂れるぐらいしっかり吹き付けると、より効果が期待できるとのことですよ(^O^)/
目に見えないウィルスの蔓延で、不安になることもあるでしょう。
しかし決して不確かなデマに惑わされないよう、情報を収集したいものです。
皆さまの健康で衛生的な毎日を応援したいと、さくらクリーニングサービスはこれからも頑張ります^^