漂白剤について 洗濯表示を復習しましょう
コロナウィルスの感染防止や拡散防止のために、皆さんも日々いろいろな対策をされているかと思います。
前回のブログでは、間違った情報を鵜呑みにしないために「塩素系漂白剤を薄めても次亜塩素酸水にはなりません!」ということをご紹介しました。
今回は衣料用の漂白剤を正しく使用していただくための基本知識をおさらいしたいと思います。
漂白剤の洗濯表示
2016年に洗濯表示(取り扱いタグ)が変更されたことはご存知ですよね^^
こちらのブログでも何度も取り上げてきました。
日本では50年ぶりに洗濯表示が改正となり、世界共通のマークが記載されることになったんですよ。
誰が見ても分かりやすいようになった洗濯表示の「漂白」に関する部分をもう一度復習してみましょう。。
衣類やタオルなどの製品についている取り扱いタグは?
洗濯表示の中に三角形のマークがあります。
これが漂白に関する取り扱い表示です。
塩素系及び酸素系漂白剤を使用して漂白処理ができる | |
酸素系漂白剤の使用はできるが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
因みに古い表示方法では?
以前の表示は三角フラスコのマークでした。
このフラスコの中に「エンソサラシ」と書いてあります。
「エンソサラシ」というのは塩素系漂白剤に浸けても大丈夫か否か、ということですから、酸素系漂白剤に関しては触れられていなかったわけです。
漂白剤の種類
「塩素系漂白剤」や「酸素系漂白剤」という言葉が何回か出てきました。
ここでは漂白剤の種類についておさらいしてみましょう。
酸素系漂白剤
衣類の漂白剤としては種類も多く、液体と粉末があります。
酸素系漂白剤の特徴は、色柄ものの衣類に使っても色落ちや傷みが少なく扱いやすい点です。
酸素系漂白剤は、いつもの洗濯洗剤にプラスして使うこともできますし、酸素系漂白剤だけを使って浸け置き洗いをすることもできます。
液体と粉末では、粉末の酸素系漂白剤の方がやや漂白力が高く、油汚れやカビ落しに効果を発揮します。
一方液体の酸素系漂白剤の方はより繊維に優しいため、ウールやシルクなどの「水洗いはできるけれども漂白ができるか心配」な衣類にも使える場合があります。
また液体の酸素系漂白剤の大きな特徴として、「襟ぐりや袖口など汚れの多い部分に直に塗って洗濯できる」という点が挙げられます。
酸素系漂白剤は、液体も粉末もとても便利で洗濯機で洗える衣類ならば何にでも使えそうですが、「金属製のボタンやファスナー」には使用できませんから注意が必要です。
また酸素系漂白剤は容器に入った状態でも気体が発生します。
決して別の容器に移し替えたりしないでくださいね。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤はとても強い漂白力を持っています。
強力な漂白力は魅力ですが扱いが難しいので、使用する際には注意が必要です。
洗剤というより「薬品の一種」とお考えいただいた方がいいかもしれません。お薬ではなく劇薬の方です。
実のところ洗濯のプロとしての感覚では、塩素系漂白剤が使えるのは『しっかりした糸』で『耐久性』を重視した作りの【台拭き】くらいです。
誤っての使用を避けるうえでは、洗濯機の周りに置かないようにすると洗濯事故を防げます。
塩素系漂白剤を使ってカットソーをお洗濯されたお客様の衣類の衝撃の結末を以前のブログでもご紹介しております。こちらも良かったらご覧くださいね。
前回のブログでも触れましたが、塩素系漂白剤は素手で触ったり、噴霧したり、蒸気を吸い込んでもいけません。
くれぐれも使用法を守って下さいね。
還元系漂白剤
やや耳慣れない漂白剤が出てきました。
還元系漂白剤とは別名を「黄変回復用漂白剤」とも言います。
漂白力は他の漂白剤に比べて低く殺菌力もありませんが、ある特定の汚れに効果を発揮します。
「鉄分」や「赤土」の汚れが付いて洗剤で洗っても落ちない「黄ばみ」ってありますよね。
温泉に行った時、鉄分の多いお湯が赤く見えることがあります。このお湯にタオルを浸しておくと黄色っぽく染まってしまいます。
鉄分によって繊維が染色されてしまうと普通の洗剤では綺麗に落とせませんから、そんな時に使うのがこの還元系漂白剤です。
しかし白無地で水洗いできる繊維製品(木綿、麻、化学繊維、毛、絹)にしか使えません。
色柄ものや生成り、金属製の付属が付いた衣料品には避けてください。
それぞれの漂白剤、使用の目安は?
種類 | 酸素系 | 塩素系 | 還元系 | |
形状 | 粉末 | 液体 | 液体 | 粉末 |
汚れの
落とし方 |
酸化 | 酸化 | 酸化 | 還元 |
漂白力 | 〇 | 〇 | ◎ | △ |
殺菌力 | 〇 | 〇 | ◎ | × |
こちらを参考にしていただき、くれぐれも使用法や容量を守ってお使いください。
そして大切な衣類ですから、少しでも心配がある時にはクリーニング店にお任せくださいね。
さくらクリーニングはプロの技術で、白いものはより白く、色柄物はくっきりと美しく仕上げております。
洗濯でお困りのことがあれば、お気軽にご相談くださいね(^O^)/