「しじら織」ってなんだろう? 季節はいつが合ってる?
最近では「クールジャパン」という言葉も定着してきましたから、日本文化が生みだしたモノ達に注目が集まっていますが、今回はその中のひとつ「しじら織」についてご紹介したいと思います。
しじら織って何??
着物の生地として知られています。ほとんどが綿素材で、表面が平らではなく、デコボコしています。
クレープ地のようなという表現の方が分かりやすいでしょうか。
しじら織の誕生ストーリー
明治時代初頭に阿波国(現在の徳島県)で生まれました。
着物を干していたらにわか雨が降ってきて濡れてしまい、仕方がないのでそのまま干しておいたら所々縮みが出て面白い風合いになったので更に研究して商品化した、という誕生秘話が知られています。
しじら織の縮みとは
この面白い風合いというのが表面の凸凹で、この特徴的な縮みを「シボ」と呼んでいます。
均等にシボが入るように、反物を織る時から工夫がなされています。
経糸と横糸を均等に織っていくのは平織りとなりますが、しじら織の織り方は縦糸と横糸の間隔を変えて作ります。
こうすることで張力差が出て、水を通して乾かした時にデコボコ加工のようになるのです。
しじら織の良いところ
しじら織の素材は綿が多いですね。
そう、天然素材の良さが光っているわけですが、ただの天然素材では得られない「しじら織ならでは」という部分もあります。
【さらりとした肌触り】
しじら織にはシボと呼ばれるデコボコがあります。
これがあるために肌にくっつかないのです。
素材が綿で肌にくっつく感じがないというのは、汗のムレる感じがなくサラッとしているということです。
【水洗いできる】
肌触りがよい衣類を楽しむのに大切なことは「清潔である」ことですよね。
しじら織の特長に「ざぶざぶ水洗いできる」という点があります。
これは有難いですね。
干す時にきちんと広げて軽くぱんぱんと伸ばしておけば、元々デコボコとした素材を楽しむものですからアイロンは不要です。
【着崩れが少ない】
しじら織の反物で作った着物は、肌触りが良いだけでなく「着崩れが少ない」というスーパーメリットがあります。
着物初心者さんでも上級者さんでも、気持ちよく着ることができるでしょう。
しじら織を着る季節は?
「しじら織の着物」として考えてみましょう。
しじら織の着物は単衣(裏地の無い着物)のものが多いですから、初夏から真夏にピッタリですね。
サラリと涼しく通気性の良い綿素材、色合いも藍染めのクールな、それでいてキチンと感のある着物です。
着物だけでなく、甚兵衛やカジュアルシャツなどにも使われる魅力的な素材ですよ^^