ビジネススーツのあれこれ(男性編)
男性の皆さんの中には毎日のようにビジネススーツで出勤なさる方も多いかもしれません。
通勤電車の中も、オフィス街も、スーツ姿で頑張っている人がたくさんいます。
今回はビジネススーツにまつわるあれこれをご紹介したいと思います。
スーツスタイルの歴史
貴族は燕尾服と半ズボン!?
スーツの起源はヨーロッパにありました。
18世紀のフランスでは、男性の正装は「フリルがたっぷりついた白のシャツ」「ベスト」「半ズボン」が定番だったそうですが、フランス革命後に「長ズボン」が一般的になったようですね。
これに合わせる上着は馬にのりやすい様にと、前が短く後ろがテイル状の「燕尾服スタイル」でした。
現在のスーツスタイルはどこから?
燕尾服を着用するのは、食事や人と会う時などで厳しいマナーがたくさんあり、かなり窮屈だったようです。
しかし食事の後には燕尾服を着替え、気ままに談笑したり食後酒を嗜んだりするために「ラウンジスーツ」と呼ばれるものが存在していました。これが現代のスーツの原点となっているそうです。
このラウンジスーツは燕尾服に比べると各段に着心地が良く、締め付けもなく「楽な服装」という位置づけでした。
びっくり(◎_◎;)ですね。スーツスタイルが「リラックスウェア」だったなんて、燕尾服とはどれほど窮屈だったのでしょうか。
楽な服装であるラウンジスーツは次第に定番化し、食後のラウンジだけでなく街中でも着用されるようになりました。
ビジネスシーンでスーツに求められるもの
現代では貴族でなくても社会に出るとスーツを着る機会が増えますよね。
せっかく着るなら素敵に見えるよう、いくつかのポイントを押さえてみましょう。
清潔感があること
シワになったスラックスや肘のあたりが出っ張ってしまった背広は、だらしがなく見えてしまうものです。
タバコや焼肉、汗のニオイがこびりついているスーツなどというのはもっての外、清潔感がありません。
スーツは同じものを連日着ると、型が崩れたりニオイが付きやすくなってしまいますから、1日着たら最低でも1日は休ませるというのが理想的ですね。
風通しが良く直射日光が当たらない場所に吊っておくだけで、ニオイやしわを減らすことができます。
衣類用の豚毛や馬毛のブラシで柔らかくブラッシングして、繊維に入り込んだホコリを取り除いてあげることもスーツを長持ちさせるコツですよ^^
体形に合ったものを選ぶ
見た目の印象を大きく変える要素のひとつに「サイズ感」があります。
肩幅がちょうど合っている背広は、腕の部分に余分なたるみやシワが寄りにくく、きちんとした印象を与えます。
スラックスも短すぎて靴下が見えていたリ、逆に長すぎて弛んでいると「大人としての落ち着き」がありません。
自分の体に合ったサイズのスーツは「スマートな見た目」を演出することができます。
素材や色、柄もさまざま
オーダーメイドからレディメイド(既製品)まで様々なスーツがあり、生地などの素材によって値段もピンからキリまでありますから、どんなスーツを買ったらいいのか悩むこともあるでしょう。
迷ったらウール100%
ウール100%のスーツ生地は、吸湿性・復元性・光沢感・手触りなど、すべての項目において人工素材の化学繊維よりも優れている点が多く、スーツに使用する生地素材としてふさわしい条件が揃っています。
しかしウール100%なら何でも「着心地が良くて上質」という訳でもありません。
光沢感があり手触りが良いウールは「100’S」「120’S」などというタグが付いていて、糸の細さと関係しています。
因みに「100’Sは原毛1kg=120kmの長さ」という意味ですので、数字が大きいほど糸が細いということですね。
タグには「Super120’S」などと書いてあることが多いでしょう。
この数字が100~130ぐらいがシワになりにくく、光沢感、柔らかさの点でも十分です。
150’Sなどもあります。これは更に糸が細いため、大変美しい光沢や柔らかさがありますが、糸が繊細なため生地が傷みやすいというデメリットがあります。
混紡はダメなの?
ウール100%が良いとご紹介しましたが、混紡が駄目という訳ではありません。
化繊を混ぜることでメリットが生まれる場合もあるからです。
例えばポリエステルと毛の混紡の生地は、雨や水に濡れても縮みが少なく、乾きも早いのが特徴です。
シワにもなりにくくスラックスの折り目が取れにくいというメリットもあります。
雨の日などには最適ですね。
またポリウレタンとウールの混紡は、ストレッチ性があるので体にフィットしながらも動きやすいという特徴があります。
スーツ姿のまま立ったり座ったり、荷物を運んだり、という仕事をする時には向いている素材でしょう。
色や柄はどんなものが良い?
ビジネススーツとして選ぶのであれば基本の3色が挙げられます。
・紺
・チャコールグレー
・こげ茶
シャツやネクタイ、靴やカバンなどとも合わせやすく、汚れやテカリが目立たない定番の色ですね。
「黒はダメなの?」と思われましたか?
そうなんです。黒のスーツは冠婚葬祭やリクルートスーツのイメージが強いので、ビジネススーツとしては向いていないと言われています。(お洒落なシャドウストライプなどを織り込んでいる生地なら上級者向きかもしれませんが(^_-))
これら定番色の無地、もしくはストライプを抑えておけば間違いないでしょう。
季節によって選ぶスーツ
一般的にスーツには夏用と冬用、そしてオールシーズンといったように、季節ごとに種類が分かれています。
そのため、「オールシーズンのスーツだけあれば良いのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、オールシーズンのスーツは、冬は冬用スーツを着るより寒く、夏には夏用スーツを着るより暑くなってしまう傾向があります。
オフィス勤務で常に室内にいるのであればオールシーズンのスーツでも良いかもしれませんが、営業職などで外に出る機会が多い方は、スーツを季節によって分けた方が快適で作業効率も上がるというものです。
夏用と冬用、表地がこんなに違う!
夏用スーツの生地は冬用に比べて生地が薄く、織り方も粗めになっています。
熱を籠らせずに通気性や吸湿性に優れたサマーウールや綿、麻、アンゴラなどの繊維が使われることが多いですね。
一方冬用のスーツは生地が厚く、ウールやカシミアに代表される細かい繊維で織り、熱を逃がさないような素材が使用されています。
裏地にも明らかな違いが!
夏用のスーツと冬用のスーツの明らかな違いは裏地にもあります。
夏用では背中部分の裏地をなくした「背抜き」が一般的で、反対に冬用は裏側全体に裏地が付いている「総裏」と呼ばれるものが主流です。
ではオールシーズンのスーツは?というと、表地と裏地のバランスで、比較的しっかりした生地に背中部分の裏地が半分だけ抜いてあるものや、薄手の表地に総裏を張ったものなどが主流です。
ビジネスシーンではTPOを大切に!
清潔感があって基本色のスーツであっても、合わせるシャツやネクタイなどで場違いな雰囲気になったり、風格があり過ぎて嫌味になったりしては台無しですよね。
業界によっても社風によっても着こなしの傾向は変わるでしょうし、商談の場や重要な会議がある日などでも違ってきます。
例えば大切な商談がある日には、スーツの柄は無地や細いピンストライプ、色は落ち着いたダークな色合いなどが安心かもしれません。白いワイシャツに青系や緑系の色のネクタイを合わせると、相手を落ち着かせ、集中力を高めてくれることでしょう。
日常的なオフィスワークの時には先輩のスーツの色遣いや柄などを参考にさせていただくと良いですね。
クールビズやウォームビズを積極的に取り入れているオフィスならばノーネクタイ、シャツの上にセーターというスタイルを取り入れるようにします。
スーツのお手入れはクリーニング店で!
大切なビジネスアイテムでもあるスーツです。いつまでもきれいなまま長持ちして欲しいですよね。
そのためには前にもご紹介しましたが
「連日着用しない」
「日陰干しで休ませる」
「ブラッシングでホコリを落とす」
これをぜひ忘れずに実践して見て、ください。
そして定期的にクリーニングでお手入れをしてください。
クリーニングの回数が多ければ多いほど良いというものではありませんが、汗や皮脂、食べこぼしなどがあると衣類の生地が傷みます。
仕事の相棒でもあるスーツの状態は、いつも気にしてあげてくださいね。
洗濯やクリーニングに関する疑問やご質問は、山口県岩国市の【さくらクリーニング】にご相談ください(^O^)/