洗剤の「酸性」「中性」「アルカリ性」とはなんなのか? しっかり理解して衣類に適した洗剤を使いましょう
掃除や洗濯に欠かせない洗剤ですが、色々種類があります。
どの洗剤も適材適所に正しく選ばないと、思ったような効果が得られなかったり、危険な配合になってしまうこともあります。
今回は洗剤の特徴と、その中でも洗濯に使う洗剤についてなどご紹介したいと思います。
【洗剤の性格】酸性・中性・アルカリ性はどう違う?
一般家庭用に販売されている洗剤には必ず成分表示がありますよね。
例えば今、私の家にあったお風呂場掃除用の洗剤の【液性】という部分には【中性】と書いてありました。
ガラス磨き用の洗剤には【弱アルカリ性】、キッチン用の漂白剤には【アルカリ性】、トイレ掃除用の洗剤には【酸性】とあります。
小学校の理科の実験の時間に、リトマス試験紙が赤くなったり青くなったりした思い出はあるものの、どうしてそうなったのかまでは良く分かりませんよね(^_^;)
簡単に説明すると水溶液の性質を測る実験であり、水の中にどのぐらいの割合の水素イオンが溶けていたのかによってリトマス試験紙の色が変わったはずです。。
pH(ペーハー)という単位で表しますが、0から14までの15段階中7のあたりは中性、それよりも数が低ければ酸性、数が大きければアルカリ性になります。
洗剤にある液性(酸性・中性・アルカリ性)の記載は、「それと対極にある性質の汚れを落としやすいですよ」という目安にもなります。
酸性洗剤の特徴
酸性の洗剤はアルカリ性の汚れ落としやニオイ消しに向いています。
「アルカリ性の汚れって何?」と思いますよね(^_^;)
例えば水垢や石鹸カス、トイレの尿石やアンモニア臭などが挙げられます。
なるほど。確かに昔から売っているトイレ専用の洗剤は「酸性」と書いてありましたし、お婆ちゃんの知恵で洗面台の黒ずみやシンクの隅の方をミカンの皮で磨くと良いと言っていました。
これらは「酸がアルカリの汚れを落とした」ということですね(^O^)
中性洗剤の特徴
身の回りにある洗剤ではこれが一番多いかもしれません。
台所用の洗剤や洗濯物の液体洗剤など、手肌や素材に優しいと謳われている商品が多く普段使いには良いです。
酸性やアルカリ性なら「逆の性質の汚れを落とす」というのも何となく分かりますが、中性の逆は何性?
中性には相対する極がありません。
もちろん中性の汚れも落としますし、軽い酸性汚れやアルカリ性汚れにも使えます。
何の汚れか分からない時はまず中性洗剤で掃除したり洗ったりするのが無難です。
適している汚れは主にホコリや手あか、軽い油汚れ、食器洗浄、軽い汗皮脂汚れなど一番一般的な使い道ですね。
しかし汚れを落とす力は穏やかなので、こびり付いてしまった汚れなどを落とすのは苦手です。
アルカリ性洗剤の特徴
さて最後はアルカリ性洗剤、これらはキッチンやお風呂場でも大活躍の洗剤です。
例えば換気扇周りの油汚れ落としやコンロ・グリル周りのこびりつきを落とすのに役立ちます。
また皮脂汚れを落とすのにも向いているので、お風呂場のざらついた部分に使うと良いですね。
浴室や洗濯槽のカビ取りなどは主にアルカリ性洗剤が多いようです。
強い洗剤の注意点
【混ぜるな危険】
洗剤によっては大きく書かれていることもあります。
この「混ぜるな危険」というのは「塩素系の漂白剤や洗剤」と「酸性タイプの洗剤」の2つを混ぜることによって有毒な塩素ガスが発生するため、大変危険であることから大きく表示されています。
人体にとって危険な塩素ガスが簡単に発生してしまうなんて怖いです。
これは命にもかかわる大事なことなので、決して忘れないでください。
【触るな危険】
酸性やアルカリ性の洗剤を使う時には必ず手袋をしてください。
また目に入ったり口に入ったりしないよう注意して使用します。
万が一目に入ってしまったら、最悪の場合失明することもあるそうですから擦ったりせずに水で良く濯ぎ、すぐに病院に行きましょう。
洗濯にはどの洗剤を使えばいいの?
家庭でのお洗濯に使う洗剤は、もちろん洗濯用の洗剤をお使いのことと思います。
え?
「おしゃれ着洗いは中性だと聞いたので、台所用の中性洗剤で衣類を洗ってみようと思います」
ちょっとそれは止めた方がいいでしょう。
洗濯に使う洗剤と台所用の洗剤では泡立ち方が違うので、濯いでも濯いでも泡が切れないなんて大変なことになる可能性があります。
洗濯には洗濯用の洗剤を使いましょう。
洗濯用中性洗剤
液体洗剤やおしゃれ着洗いの洗剤は、多くがこの「中性」のタイプです。
洗浄力はやや低めですが、素材への影響が少なく、家庭で扱うのには失敗が少ないためです。
汚れをとことん落とすというよりは「色合いや風合いを保ちながら汗を洗い流す」という意味合いでしょう。
洗濯用弱アルカリ性洗剤
中性洗剤に比べると洗浄力は高く、より「汚れを落とす」感が強い洗剤です。
粉末洗剤などにはよく弱アルカリ性と書かれているものがありますね。
漂白剤成分が配合されている洗剤や、除菌効果!と書かれているものは、この弱アルカリ性洗剤であることが多いです。
洗剤は使用量を守って
何となく汚れが落ちていない気がする。。。
生乾きの嫌なニオイがする。。。
そんな時、洗剤を余計に入れたらもっとキレイに、ニオイもなく洗い上がるに違いないと思っていませんか?
残念ながらそれは逆効果です。
洗剤は多く入れれば入れるほど汚れを落としてくれるものではありません。
逆に濯ぎが不十分となり、変色やニオイの原因、肌荒れの原因となることもあります。
汚れが落ちない場合には水の温度を上げてみたり(40~50℃)、浸けおきしたりする方が分かりやすい効果が得られるでしょう。
衣類に合った洗剤を正しい方法で使うことが何より大切なことです。
清潔で快適な暮らしのためにも、時には洗剤に目を向けてみてくださいね(^O^)/
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