油洗い(ドライクリーニング)は衣類の味方です!
先日はウェットクリーニングは汗汚れをすっきり落とす効果がありますとご紹介しました。
では今回は、クリーニング店で最も目にしやすい「一般的なドライクリーニングとは何なのか」についてもご紹介したいと思います。
ドライクリーニングとは?
ドライクリーニングとは何かを一言で言うなら、「油性の洗剤で洗うこと」でしょう。
・・・??
分かるような分からないような説明ですよね(^_^;)
「油性の洗剤」の意味がまず曖昧です。
油性マジックのような汚れを落とす専用の洗剤のことなのか、洗剤そのものが油なのか??
・・・。
どちらも正解です。
水を使わない?!
ドライクリーニングでは有機溶剤と呼ばれる専用の液体を使用します。
これは石油系の液体で、油の仲間だと考えてください。
油の仲間、と聞いて天ぷらやトンカツの揚げ油を想像した方は食いしん坊ですね^^
ドライクリーニング用の油は調理に使う油とは違って「揮発性」、要するにガソリンや灯油に近いものと思って下さい。
洗濯機の「ドライモード」とは違います
うちの洗濯機には「ドライモード」がありますよ、という方もいらっしゃいますね。
「ドライ用の洗剤を使ってニットを洗っているよ」という方もいらっしゃるでしょう。
でも残念ながら家庭でできる「ドライ洗い」と、クリーニング店の言う「ドライクリーニング」では全く違うのです。
ご家庭でできる「ドライ洗い」というのは、一般的に水に溶かして使い、衣類の型崩れや縮みなどの傷みを出来るだけ起こりにくくするように工夫された洗剤のことであり、油を使って洗っているわけではありませんよね。
仮にもしもドライクリーニング用の有機溶剤を手に入れることができたとしても、洗濯機などに入れて洗濯し、水と同じように排水するような投棄方法は取れませんので、一般家庭ではまず使用することは出来ません。
「繊維に優しい」のは何故?
では何故ドライクリーニング用の有機溶剤を使うのか?
それは水による繊維への負担が、有機溶剤だとほどんどないためです。
具体的には
・ニットが縮まない
・スーツなどの型崩れがない
・生地の風合いを保てる
という利点があるということです。
興味深い実験があります。
折り紙で鶴を2つ折ります。
ひとつを水の入ったビーカーに入れ、もう一つを有機溶剤の入ったビーカーに入れ、どちらのビーカーもグルグルと良く撹拌します。
30秒グルグルして両方取り出して見ると、水に入れた折り鶴は勿論くちゃくちゃになりますが、有機溶剤の中に入れた折り鶴はそのままです。
紙という繊維に対しても有機溶剤の方は負荷が少なく、形を保てるという実験です。
このように縮みや型崩れが心配される衣類に対して、ドライクリーニングは負荷が少なく洗い上げることができるのです。
ドライクリーニングは繊維が傷まないだけではありません。
主に油性の汚れ—例えば皮脂や口紅、袖口など机や物などに擦れていくうちに付く落としにくい汚れ—などを落とすことが得意です。
ちょうどお化粧を落とすためのクレンジングオイルのような感じですね。
口紅やファンデーションなどを落とす時に、肌に負担がないようにオイル系の洗剤で洗顔をされている方は良くご存知でしょう。
水洗いできない衣類はもちろん、家庭で洗うのは自信がないな。。。という衣類は、クリーニング店にお任せください(^O^)
また上記でご紹介した洗濯表示に関しては、以前のブログでもご説明していますので合わせてお読みください。
新しくなった洗濯表示記号「クリーニング」のマークは?