クリーニング店の仕事~色掛けの実例~
前回のブログでは「色抜けした衣類の色掛け」についてご紹介しました。
興味を持っていただいた方も多かったので、もう少し実例を交えながらご説明したいと思います。
染料の色を調節?
色抜けの状態や繊維の種類によって染料を使い分けることは、前回紹介しましたが「色の調節はどうしているの?」という疑問も聞こえてまいりました(^_^;)
色の三原則
染めることのできる色は、三原色(赤、青、黄)からできています。美術の時間に絵の具を足して色を作ったのを思い出していただければ分かりやすいでしょう。
赤と黄色を混ぜることでオレンジができ、
黄色と青を混ぜることで緑ができます。
3つとも混ぜるとグレーになり、限りなく黒には近いですが、黒ではありません。
補色でくすませる?
色の相環図を見ると、それぞれの色の対極にある色があります。これを補色(反対色)といって、互いにその色を打ち消しあう働きがあります。
「赤っぽいんだけど、少しくすんだ感じ」という場合には、赤の補色である緑を少しずつ足すことで、赤の色がくすんできます。
しかし完全な黒は作れませんので、黒にしたいときには三原色の他に、黒の染料を用います。
色の特徴
人間の視覚は、とても細かいところまでよく気が付くように見えていたり、その逆に余りはっきりとした認識ができていないことがあります。
【赤】人間の目では一番認識されにくい色。
【青】人間の視覚では、青と緑の境目が認識しにくい。
【黄色】人間の目ではかなり薄くなっても黄色ははっきりと認識できる。
【黒】人間の視覚は黒にはほんの微かな違いでも認識しやすい。
これら色の特長を理解すると、色掛けしやすい色合いと、色掛けにものすごく神経を使う色があるのが分かりますね(^_^;)
薄めた色を少しずつ乗せる
前回のブログでも少し触れていますが、色を調整して作ったら、繰り返し繰り返し色を乗せていきます。
いきなり濃い色を塗ることはありません。実際に戻したい色より薄めの色を、何度も何度も掛けるのです。
動画をご用意いたしましたので、ぜひご覧いただけるとより分かりやすいかと思います^^
これからも皆様のお役に立つ情報や、クリーニングの知識などをご紹介してまいります。
お洗濯の疑問やご不明なことがあれば、山口県岩国市の【さくらクリーニング】にご相談ください(^O^)/